ガリレオ温度計は、おしゃれな見た目と「気温変化によってガラス球が浮き沈みする」という科学的な面白さが人気のインテリアです。しかし、容器がガラスでできているため、ふとした拍子に割れてしまうことがあります。
飾っている間は気にならないものですが、いざ割れてしまうと「中身の液体は何?」「どうやって掃除したらいい?」と不安になりますよね。ガリレオ温度計の液体はただの水ではなく、処分するに当たっていくつか注意しなければいけないことがあります。今回はガリレオ温度計が割れてしまった場合の対処法についてご紹介します。
中身の液体は何?
ガラス球の中のカラフルな液体は着色したアルコールですが、本体部分に使われている透明な液体は「パラフィンオイル」というものです。パラフィンオイルは石油を精製して作られたもので、実際に割ってしまうと分かることですが灯油のような油臭さを感じます。
キャンプ用ランタンの燃料や金属製品の潤滑油としても使われており、ネットショップやホームセンターで誰でも購入することができるものです。灯油に比べて引火点が高く自然発火の可能性が低いため、アウトドア系のレジャーにおいて扱いやすい燃料として重宝されています。
こう見ると一見無害なもののように感じますが、実際にはガリレオ温度計の液体による「化学やけど(熱傷)」の報告もある*ため、掃除の際は直接手で触れないようにしましょう。
※参照:独立行政法人 国民生活センター
化学熱傷=酸、アルカリ、有機溶剤などの化学物質が皮膚に触れて、やけどのように皮膚が傷つくこと。
引用:一般社団法人 日本形成外科学会
割れたガリレオ温度計の掃除方法と捨て方
では、このパラフィンオイルをどう処理したらいいか具体的に見ていきましょう。事故防止のため、掃除の前にゴム手袋や防護メガネを着用しておくと安心です。
ガラスは「燃やさないゴミ」、液体部分は「燃やすゴミ」
割れてしまった本体ガラスとガラス球は「燃やさないゴミ」として処分します。回収業者の方がケガをしないように新聞紙などで包み、指定袋に入れて出しましょう。(※ガラスの分別方法については自治体によって異なる場合があるため、お住まいの地域の情報を確認してください)
パラフィンオイルはキッチンペーパーや雑巾などで吸い取り「燃やすゴミ」に出します。自然発火の可能性は低いとはいえ可燃性のオイルであることには違いないので、キッチンや暖房器具近くのゴミ箱に捨てるのは避けた方がいいでしょう。ビニール袋で2重・3重に包み、空気(酸素)に触れないようにしておくとより安全です。
パラフィンオイルが肌や服に付着した場合
前述したように、パラフィンオイルは肌に付着したまま放置するとケガにつながる恐れがあります。万が一肌に付いてしまったら、石鹸と流水でしっかり洗い流しましょう。オイルが衣服に付いた場合はすぐに脱ぎます。オイル染みを洗う際は、衣類用の洗剤よりも油汚れに強い食器用洗剤を使うのがおすすめです。
床にこぼしてしまったら
こぼれたオイルを吸い取ったあと、水で薄めた洗剤で数回拭き上げます。洗剤の成分が残らないように水拭きし、最後に仕上げで乾拭きをすれば完了です。オイルが残っていると乾いたあとでツルツルと滑りやすくなり、転倒の恐れがありますので気をつけましょう。ニオイはしばらく残りますが、次第に薄くなっていきます。
こぼした場所がフローリングの場合、オイルと洗剤によるダメージでこぼした部分の色が薄くなったり、ワックスが取れてしまったりする場合があります。こぼした範囲が広い場合はワックスの塗り直しも検討しましょう。アルカリ性の洗剤はフローリング材を痛めやすいので、掃除の際は中性洗剤推奨です。
さいごに
ガリレオ温度計はガラス製品なので、どんなに気をつけていてもふとした拍子に割れてしまうことがあります。パラフィンオイルはケガや火事のおそれもあるものなので、小さな子どもやペットの手が届かないところに置いたり倒れないように固定したりと、割れにくい工夫をして飾りましょう。