毎日の食事に欠かせない箸。普段使っている箸はいつ買ったものか覚えていますか?箸先がどんな状態かチェックできているでしょうか?
今回はあまり知られていない箸の寿命と、長持ちさせるための正しいお手入れ方法をご紹介します。
箸は年に1度は買い替えよう!
毎日使う箸の一般的な寿命はおよそ1年と言われています。目立つ欠けやヒビ割れなどがなくても、箸先の塗料が剥がれたところから雑菌が入り込み、内部で繁殖してしまっている可能性があります。
箸は直接口に触れるので、衛生面は他の食器よりも気をつけたいもの。年明けや新年度、誕生日などのタイミングを目安に、年に1度は買い替えるのがおすすめです。
箸の正しい洗い方とお手入れのコツ
箸は塗装の種類によって大きく3種類に分けられます。
- 合成樹脂塗装(アクリルウレタン、ポリエステルウレタン等
- 漆塗装
- 無塗装
まずはお手持ちの箸がどれに当てはまるかチェックしてみましょう。種類によってお手入れ方法がやや異なりますが、すべてに共通する基本は次のとおりです。
- 長時間水につけっぱなしにしない
- たわしのような硬いものでこすらない
- 「食洗機対応」と明記されているもの以外は、食洗機や乾燥機を使わない
- 洗い終わったらすぐに水気を拭き取り、風通しの良いところでよく乾燥させる
- 立てて保管する場合は、箸先を上にする
使い終わった食器を洗う前につけ置きしている方も多いかと思いますが、箸は木でできているためとても水に弱い食器です。長時間水に触れていると劣化が早まってしまいます。
また、飲食店の箸立ては衛生面を重視して持ち手を上にしていることが多いのですが、長持ちさせることを重視するなら箸先を上にするのがおすすめです。
続いて、塗料の種類ごとの注意点を見ていきましょう。
合成樹脂塗装(アクリルウレタン、ポリエステルウレタン等)
「合成樹脂=食洗機OK」と思われがちですが、実は合成樹脂製でも食洗機が使えない箸は少なくありません。購入時にしっかり確認するのがベストですが、ひとつの見分け方として「頭(箸先の反対側)の形」があります。
食洗機対応の箸は頭がやや丸みを帯びており、非対応の箸は直線的で角ばっているのが特徴です。非対応の箸に食洗機を使うとすぐに傷んでしまうおそれがあります。
漆塗装
漆は防水性に優れた塗料ですが、長時間水にさらすと箸が劣化してしまうのは同じです。つけ置きはせず、洗い終わったらすぐ水気を拭き取るようにしましょう。漆は紫外線に弱いため、直射日光が当たる場所での保管もNGです。
無塗装
塗料でコーティングされていない分、他の種類の箸よりもデリケートなのが無塗装の箸。“天然の木”そのものですから、使い込んでいくうちにだんだんと油分が抜けてツヤがなくなっていきます。
表面がパサついてきたなと感じたら、エゴマ油・アマニ油・クルミ油などの「乾性油」を少量取り、やわらかい布やキッチンペーパーで塗り込みましょう。半日ほど乾かすと、天然木らしいツヤと手触りが復活します。
乾性油は乾くとサラサラになる性質があり、箸以外の木製品のメンテナンスにも使えます。他の木製食器や木製家具のお手入れもしたい方は、1本手元に置いておくのがおすすめです。
箸以外の木製食器のお手入れ方法についてはこちらも合わせてご覧ください。
【木製食器のお手入れ方法・洗い方】基本をおさえればOK!こうなっていたら買い替え時!箸の寿命サイン
「今使っている箸がいつ買ったものか分からない」「毎日使うわけじゃないから、1年で買い替えるのはちょっと……」という方もいらっしゃるかもしれません。
購入時期や使用頻度にかかわらず、次のようなサインが出ていたら買い替え時です。
- 箸先の塗装が剥げている
- ささくれやヒビ割れがある
- 先端が欠けて長さが変わっている
「まだ使えるのにもったいない」と思ってしまいがちですが、箸はあくまで“消耗品”。どんなに高価な一級品でも一生使い続けることはできません。買い替えサインが出ていたら、潔く割り切って新しいものを使いましょう。
なお、一部の箸専門店では購入後にメンテナンスや修理を行ってもらえることがあります。思い入れのある高級箸を少しでも長く使いたいという方は、購入店にこういったサービスがあるかどうか問い合わせてみてください。
お気に入りの箸は正しいお手入れで長く使おう!
箸は食器の中でもハードな使い方をされるため、どんなに丁寧に扱ってもいずれは寿命を迎えてしまいます。お気に入りの箸は少しでも長く使えるように、正しいお手入れ方法を心がけましょう。