新しい日記帳を買って心機一転、今度こそ毎日書くぞ!と意気込んだのもつかの間、「あっ、昨日書き忘れた」という日が何度も続き、気づけば日記帳の存在すら忘れてしまう……。そんな苦い経験を繰り返している人は決して少なくありません。
数ある趣味の中から日記にたどり着いたのには、何かしらの理由があるはず。「自分は飽き性だから」とすぐ諦めてしまうのはもったいないことです。今回は日記が続かない原因と、継続するためのコツについてご紹介します。
日記が続かない原因
継続するコツの前に、なぜ続かないのか原因をチェックしましょう。これまで何度も挫折してきたという人は、思い当たる節が多いはずです。
「なんとなく」で始めた
日記には多くのメリットがありますが、具体的に何がどういいのかよく知らないまま「なんとなくいいらしいから始めた」という人は、日記を書く目的が曖昧になってしまいます。「何のためにしているのか分からないこと」を長続きさせるのは、飽き性の人でなくても難しいことです。
完璧さにこだわってしまう
「なんとなく」で始めるのとは反対に、メリットを重視しすぎて完璧にやろうとするあまり、自分でハードルを上げすぎてしまうせいで挫折するケースです。毎日しっかり書くのは良いことですが、理想が高すぎるとその通りにできなかったときに「こんなんじゃダメだ」と自分を責めてしまい、結果としてどんどん書くのが面倒になってしまうのです。
日記に書くネタが浮かばない
代わり映えのない日々を送っているうちに、日記に書くネタが浮かばなくなってしまうという人もいます。どんなに単調に見える毎日でも、全く同じ日というのはないのですが、日記の内容に面白さやドラマを求めすぎると「書くことがない」となってしまうのです。
新鮮さが薄れて飽きてしまう
日記に限らず、新しいことを始めてすぐは「今日もやるぞ」というやる気や、「新しいことを始めた」というワクワク感が原動力となります。しかしそのモチベーションはたいてい数日で薄れてしまい、面倒くさいという気持ちの方が大きくなっていきます。
高いモチベーションがいつまでも続かないのは当然のことです。しかし、それまでに継続するためのコツを理解していないと、ふとしたことがきっかけで「面白くなくなったからやーめた」となってしまいます。
日記を書くための余裕がない
日記を書くためにはある程度の時間が必要ですし、その日あった出来事を整理して文章にするのはそれなりに気力を使う作業です。眠気や疲れでぼんやりした頭ではなかなか考えがまとまらない上、身も心も疲れ切るほどハードな毎日を送っていると「1日を振り返るのが辛い」ということにもなりがち。
日記にはストレス解消の効果もありますが、日記を書くために必要な余裕もないギリギリの生活をしているうちは、継続するのは困難です。日記の前に生活を見直すところから始めましょう。
今度こそ挫折しない!日記継続のためのコツ7つ
原因がはっきりしたところで、継続するための具体的なコツについてご紹介します。これまで何度も挫折してきた方も、これから日記を始めるという方も、ぜひ参考にしてください。
何のために書くのかを明確にする
ひとつのことを継続するのに、目的があるのとないのとではモチベーションも変わってきます。まずは日記のメリットを再確認して、何のために日記を書くのかという目的をはっきりさせましょう。
【日記のメリット8つ】効果を最大限に活かす書き方についても紹介ルールをひとつだけ決める
日記は誰かに見せるために書くものではないので、短くても内容が薄くてもかまいませんし、さらに言えば毎日必ず書く必要もありません。完璧主義の傾向がある人は、日記を書くのが苦痛にならないように自分の中のハードルをなるべく下げるのがポイントです。
とはいえ、何の目標もないとそれはそれでモチベーションが続かないものです。たとえば「1行でもいいから毎日書く」「良かったことや嬉しかったことがあった日は必ず書く」など、最低限守るルールを“ひとつだけ”決めましょう。
最初からあれこれ決め事を作らないのがポイントです。書く内容や頻度を増やすのはいつでもできるので、まずはがんばりすぎずに、日記を書くことに慣れるところから始めましょう。
書けない日があっても気にしない
まだ日記を書く習慣がついていない間は、自分で決めたひとつだけのルールも守れない日があるかもしれません。そんなときもあまり気にしすぎず、「明日からまたがんばろう」と気持ちを切り替えることが大切です。
日記のメリットは長く続けることでより効果を発揮します。「毎日書いた1週間分だけの日記」よりも、「ときどき書き忘れたけれど1年続いた日記」の方が価値があると考えましょう。
書き出しの部分に何を書くか決めておく
せっかく日記を開いても「今日は何を書こう……」とネタを探す時間が長いと、書くのが面倒になってしまうこともあります。そこで、書き出しに何を書くかあらかじめ決めておきましょう。最初の1行が書けてしまえばその後の文章も浮かびやすくなりますし、「何も書けなかった」という日もなくなります。起床時間や朝ごはんについてなど「必ず毎日すること」について書くのがおすすめです。
有名な「3行日記」や「4行日記」のメソッドでは、書き出しだけでなく全体で何を書くか決まっています。慣れないうちは当てはまるネタがないと手が止まってしまいがちですが、完全にパターン化したほうが書きやすいという方はぜひ取り入れてみてください。
- その日一番失敗したこと・良くなかったこと
- その日一番成功したこと・良かったこと
- 明日の目標
- 事実…その日あったことの中で最も印象に残ったこと
- 気づき…事実から得られた発見や感想
- 教訓…気づきからどのようなことを学んだか
- 宣言…自分がなりたい姿を「現在進行形」で書く
毎日決まった時間に書く
日記は夜寝る前に書くものというイメージが強いですが、書く時間帯は朝でも昼でも構いません。夜書く場合はその日のことを、朝や昼に書く場合は前日のことについて書くといいでしょう。大切なのは「なるべく毎日同じ時間に書く」ということ。時間を決めてしまうことで毎日のルーティーンの中に組み入れやすくなります。
勤務形態の都合などでどうしても決まった時間に書くのが難しい場合は「毎日決まってしていることとセットにする」方法が有効です。たとえば、夜寝る前に歯磨きやトイレを済ませる方が多いですよね。ここで「歯磨きのあと、日記を書いてからトイレへ行く」など、普段していることとセットで行うようにすると習慣化しやすくなります。
携帯しやすい大きさの日記帳やスマホアプリを使う場合は「書きたいことができたタイミングでその都度書く」という手もあります。その日1日を振り返るというより、正確な「記録」を残すために日記をつけたいという方にも向いている方法です。
定期的に読み返す
日記の醍醐味は、書いている瞬間よりも時間が経って読み返すときにあります。読み返す楽しさやメリットを一度実感すると「もっと長く続けよう」とモチベーションが上がりやすくなります。
「20秒ルール」を意識する
「20秒ルール」とは、アメリカの心理学者ショーン・エイカー博士が提唱したテクニックです。このルールが紹介されている著作によると「人間は取り掛かるまでに20秒以上かかる物事を先延ばしにする傾向がある」とされています。
これを活用して「継続したい習慣」は20秒以内に取り掛かれるように、逆に「やめたい習慣」は20秒以上かかるようにすれば、継続したい習慣だけを狙って身につけられるというわけです。
日記を書こうとするたびに、机のスペースを確保して、ペンを探して、しまっていた日記を取り出して……という手間がかかっていては、あっという間に20秒以上経ってしまいますね。日記を続けるためには、思い立ったときすぐ書けるように環境を整えておくことも大切です。
継続と同じくらい大切な「日記の始め方」
あなたが「日記を始めてみよう」と思ったきっかけは何でしょうか。多くの人は誕生日、元日、新学期など、特別な節目をきっかけに日記をスタートするものです。「特別な日」はこれからの1年で掲げたい目標やお祝いされて嬉しかったことなど、書きたいことがたくさんあるので筆も進むでしょう。
しかし、その後の日記は初日に比べるとインパクトの薄い内容になってしまいがちです。滑り出しが好調だった分「なかなかページが埋まらない」「書くネタを探すのが大変」と感じてしまうと、モチベーションの低下とともに楽しくなくなり、挫折につながります。
また、万が一始めようと思っていた日に日記をつけ忘れてしまうと「今年はタイミングを逃したから、来年がんばろう」と、どんどんスタート予定日がずれ込んでいってしまうことも……。
日記を始める一番いいタイミングは「日記を始めたい」と思ったそのときです。日記を書くための道具や環境が整ったら、節目を待たずにまずは1日分を書き始めてみましょう。
どうしても続かないなら「日記」にこだわらなくてもOK
「いろんな方法を試してみたけれど、やっぱり日記が続かない……」とお悩みの方もいるかもしれません。そんなときは、いっそのこと「自分に日記は向いていなかったんだ」と割り切ってやめてしまいましょう。
日記を書くのも、読み返すのも、あくまで自分のため。日記で得られるメリットは日記以外の方法でも得られるものばかりですし、向いていないことを無理にがんばる必要はありません。自分に合う方法が見つかるまで、日記以外にもいろいろなことにチャレンジしてみましょう。
「書きかけのまま読み返すこともなく、眠ったままになっている日記が何冊もあって困っている」という方は、こちらの日記の処分方法についての記事もあわせてご覧ください。
【後悔しない日記の捨て方】処分する前にやるべきことと安全な捨て方