SNSなどで最近よく見かけるようになったカッティングボード。「おしゃれな写真を撮る人が使っているイメージだけど、結局まな板と何が違うの?まな板代わりに使ってもいいの?」と疑問を持っている方もいると思います。
実は、使い方が似ていてもカッティングボードとまな板は別物です。今回は「おしゃれなまな板」と思われがちなカッティングボードとまな板の違いについてご紹介します。
カッティングボードとまな板の違い

カッティングボードとまな板は、どちらも食材をカットするための板です。まな板を英訳すると「cutting board」となりますので、大きなくくりでは同じものと言ってもいいかもしれません。
しかし、日本と欧米とでは食文化や調理器具が異なるため、厳密には全く同じものではないのです。カッティングボードとまな板の一番の違いは、「使われている素材の硬さ」にあります。
まな板に使われる素材の特徴
まな板に使われる素材は木材・プラスチック・ゴムなど様々なものがありますが、その特徴は「柔らかくて包丁への刃当たりがやさしい」という点です。
日本では各食材を小さくカットして調理する習慣があるので、包丁へのダメージが少ない木材がよく使われます。木製まな板で代表的なものはヒノキ、イチョウ、キリ、ヒバなどです。
ヒノキ
木製まな板の中で一番メジャーな素材です。防虫・抗菌作用に優れていて雑菌が繁殖しにくいため、木製まな板を初めて使う方にもおすすめ。ヒノキ特有の香りには食材や菌のニオイが付くのを防ぐ防臭作用もあります。
イチョウ
すべすべした心地よい手触りと、柔らかく優しい刃当たりが特徴。弾力があり、多少の傷は修復できる復元力があります。使いはじめはイチョウの実(銀杏)と同じ独特のニオイが気になりますが、使ううちに自然と薄くなっていきます。
キリ
国内産の中では最も軽く柔らかい木材です。柔らかい分他の木材より傷も付きやすいですが、とても軽快で心地よい刃当たりに魅せられる人も多いとか。「木製まな板は重さが気になる」という方におすすめ。
ヒバ
「ヒノキチオール」という抗菌成分が多く含まれており、衛生面で優れた木材です。同じヒノキ科の仲間だけあって、ヒノキに似た独特の香りがします。まな板としての機能は優秀ですが、市場に出回る量が少ないため価格はちょっとお高め。
カッティングボードに使われる素材の特徴
パン食文化が普及している欧米で生まれたカッティングボードは、ブレッドナイフなどのギザギザした刃でも傷がつきにくい「硬くて頑丈な木材」が使われます。
アカシア・オリーブ・メープル・サクラなど種類はたくさんありますが、それぞれで色・手触り・硬さ・重さ・香りなどの特徴が異なります。同じ木を使ったものでも形や大きさのバリエーションが豊富なので、用途に合わせて使いやすいものを選ぶといいでしょう。
デザイン性が高いものは食卓に並べても見栄えがいいため、お皿代わりのテーブルウエアとしても使うことができます。カッティングボードの素材ごとの特徴・使い方・お手入れ方法などについて詳しくはこちらをご参照ください。

カッティングボードをまな板代わりに使うのはアリ?
前述したとおり、カッティングボードにはまな板より硬い木材が使われています。そのため、カッティングボードをまな板代わりに使うと包丁の刃に負担がかかり、刃こぼれの原因になってしまうのです。
では逆に、まな板をカッティングボードの代わりにして、パンやケーキをブレッドナイフでカットするのはどうでしょうか?柔らかいまな板をギザギザの刃で切りつけると傷になってしまうので、こちらも良くありませんね。一枚で使い回せるのが理想的ではありますが、カッティングボードとまな板は別のものと考えて使い分けましょう。
さいごに
カッティングボードとまな板は、使い方が似ていても違うものだというのがおわかりいただけたでしょうか。お気に入りの包丁やまな板を長持ちさせるためにも、用途に合わせて正しく使い分けましょう!