進学・卒業・就職・転居など、人生にはいくつもの節目があります。生活環境や人間関係が大きく変わるのを機に、離ればなれになってしまう大切な人に何か贈りたいと思う人は多いでしょう。贈り物の定番であるお花は「花言葉」を基準に選ぶことで、よりメッセージ性の強い素敵な贈り物になります。
出会いと別れの季節に贈りたい『感謝』『応援』『友情』の花言葉を持つ花の中から、お花屋さんで切り花や鉢花が出回っていて、プレゼントしやすい花を厳選してまとめました。店頭での出回り時期もあわせてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
『花言葉』を贈ろう!気持ちが伝わる渡し方と注意点「感謝・ありがとう」を伝える花言葉10選
いつもそばで支えてくれた家族や、お世話になった先生、仕事を教わった職場の上司や先輩に。これまできちんと言葉にできていなかった感謝の気持ちを、お花と一緒に贈りましょう。
- 卒業式・離任式
- 母の日・父の日、両親の誕生日
- 自分の誕生日・成人式(親に贈る逆プレゼントとして)
- 退職・転勤する職場の方に
カスミソウ
- 全般:「感謝」「幸福」「清らかな心」「無邪気」「愛らしい」「無垢の愛」
- 白:「純潔」「親切」
- ピンク:「感激」「切なる思い」
ウェディングブーケやアレンジメントの花材としても高い人気を誇るカスミソウには、「感謝」「幸福」などの花言葉があります。花束にするときは他の花と組み合わせることも多いお花です。本来の開花時期は春から夏にかけてですが、切り花は通年で出回ります。派手すぎず清楚な雰囲気なので、相手の年齢や性別を問わず贈りやすいのが魅力です。
カーネーション
- 全般:「無垢で深い愛」
- 赤:「母への愛」「感動」
- ピンク:「感謝の心」「暖かな愛情」「美しいしぐさ」
- オレンジ:「情熱」「清らかな愛」
- 白:「純粋な愛」
「母の日に贈る花」であるカーネーションには、母への愛や感謝に関する花言葉が多く付いています。定番の赤以外にも豊富なカラーバリエーションがあり、お母さんに限らず親密な関係の人へ感謝を伝えたいときにおすすめの花です。
例外として、黄色のカーネーションには「軽蔑」というネガティブな意味があるので注意しましょう。切り花は母の日シーズンだけでなく通年で出回っています。
レースフラワー
白く清楚な花姿から、ウェディング花材としても人気のお花です。「感謝」の花言葉は、ヨーロッパでは古くからハーブとして利用したことから付けられました。切り花は通年で出回りますが、とくに流通量が多くなるのは春から初夏にかけてです。
ガーベラ(ピンク)
- 全般:「希望」「前向き」「美しさ」
- ピンク:「感謝」「思いやり」「崇高な愛」「気高い美しさ」
ガーベラは花持ちがとても良く、花名も広く知られているためプレゼント用の花として人気です。多くのカラーバリエーションがありますが、その中でもピンクには「感謝」の花言葉が付いています。色に加えて咲き方も種類が多彩で、選ぶ品種によって可愛らしくも華やかにもアレンジできるのが魅力。本来の旬は春と秋ですが、切り花は通年で手に入ります。
ダリア(白)
- 全般:「華麗」「優雅」「気品」「威厳」
- 白:「感謝」「豊かな愛情」
「花の女王」と呼ばれることもあるほど美しさに秀でたお花です。花言葉の多くはその優美な見た目から付けられたものですが、白のダリアには「感謝」「豊かな愛情」という意味があります。
白のダリアは花嫁の髪飾りとしても人気です。花が大きく華やかなので、少ない本数でも存在感のある花束になります。ただ、白一色だとお葬式をイメージする方もいるので、特にご高齢の方に贈る場合は他の色も組み合わせてカラフルにするといいでしょう。切り花は通年で手に入りますが、旬の9~10月頃は種類も量も多く出回ります。
ヤグルマギク
知的なブルーが印象的なお花です。英名では「cornflower(コーンフラワー)」と呼ばれ、最高級のサファイアの濃い青色を指す「コーンフラワーブルー」という言葉はこれにちなんでいます。
花言葉には「感謝」の他に「教育」というものも。これはプロイセン(現ドイツ)の王妃ルイーゼが、この花を摘みながら王子たちを教育したという逸話が由来です。先生や先輩など、何かを教えてもらった方へ贈るのにぴったりな花言葉ですね。本来の開花時期は5~6月ですが、切り花は12~7月頃まで出回ります。
カンパニュラ
花名はラテン語の「釣り鐘」が語源で、その名の通りふっくらしたベル状の花を咲かせます。薄紫やピンクなどのパステルカラーが多いので、お花の雰囲気を活かした可愛らしいアレンジにするといいでしょう。切り花は5~6月頃を中心に出回ります。母の日に贈る「カーネーション以外の花」としてもおすすめです。
アイスランドポピー
一般的に「ポピー」と呼ばれているのは、このアイスランドポピーがほとんど。ギリシャ神話では、眠りの神ソムアヌが作った花とされています。お店に入荷した段階ではほぼ蕾の状態で、花が開くまで何色が咲くかわからないという、他とはひと味違った楽しみ方ができるお花です。
お花屋さんで売られている花の中でも比較的リーズナブルで、数百円あれば十分ボリュームのある花束が作れるでしょう。切り花は11~4月頃に出回ります。
モルセラ
モルセラは貝殻のようなユニークな見た目が特徴。明るいグリーンの色合いとミントに似た香りが爽やかな印象を与えます。グリーン材として利用されることが多いので、他のお花と組み合わせてナチュラルなアレンジにするといいでしょう。切り花は春に国産のものが、それ以外の時期は輸入品が多く出回るので、ほぼ通年で手に入ります。
サルビア
ハーブの一種であるセージの仲間です。赤い花を付ける「サルビア・スプレンデンス」と、青い花の「サルビア・ファリナセア」などがよく知られています。「よい家族」「家族愛」の花言葉は、小さな花がたくさん集まって咲くことが由来。大人になった今だからこそわかる、家族への感謝と「尊敬」を伝えるのにぴったりなお花です。
「応援・励まし」を伝える花言葉10選
人生を左右するような大きなイベントを控えた人や、夢を追っている最中の人、ちょっとネガティブな気持ちになってしまっている人に。明るい未来を想像させる花言葉が、そっと背中を押してくれます。
- 大事な試験・試合の前
- 卒業式・入学式
- 開店・開業祝い
- 夢を叶えるためにがんばっている人に
- 嫌なことがあって落ち込んでいる人に
コチョウラン
チョウに似た大ぶりな花が特徴です。結婚祝い・開店祝い・昇進祝いなど、さまざまなお祝い事に贈られます。
「幸福が飛んでくる」の花言葉は、ひらひら舞うチョウと幸せを重ねて付けられました。すでにおめでたいことがあった人はもちろん、応援や励ましの気持ちを込めるのにもぴったりな花言葉です。切り花は通年で手に入ります。「幸せが根付く」という意味を込めて、お祝い事には鉢花を贈ることも。
カモミール
古くからハーブや薬草として用いられているお花です。抗ストレスや安眠などの効果があり、花言葉の「あなたを癒やす」はこれにちなみます。「逆境に耐える」は、一見繊細そうな見た目ながら生命力が強く、踏まれれば踏まれるほど丈夫に育つ性質から付けられました。
開花時期は4~6月で、主にポットや鉢植えとして出回ります。切り花を扱っているお店は少ないので、花束やアレンジメントとして贈りたい場合は事前に問い合わせましょう。
ストレリチア
エキゾチックな色合いと、鳥のようなユニークな形が特徴です。一度見たら忘れられないインパクトある花姿は、観葉植物としても人気があります。
花言葉の「すべてを手に入れる」「強運」などは、その堂々とした美しさから付けられたようです。夢に向かって努力している人にぴったりの花言葉ですね。開花時期は4~10月ですが、切り花は通年で出回ります。
グロリオサ
縁が波立った細い花びらと色鮮やかな花色が、燃える炎のような個性的なお花です。花名はラテン語の「groliosus(見事な)」が由来。花言葉も輝かしい未来を想像させるものが付いています。そのうちのひとつ「天分」は、生まれ持った性質や才能をあらわす言葉です。切り花は7~8月頃に多く出回りますが、通年で手に入ります。
スズラン
ヨーロッパでは聖母マリアを象徴する花とされており、キャサリン妃のウェディングブーケに使われたことでも有名です。日本では北海道を代表する花のひとつとして知られています。
花言葉の「幸福」「希望」「再び幸せが訪れる」などは、春を告げるスズランが寒い北国の人々に喜びの花とされていることが由来です。切り花は4~6月頃に出回ります。1本単位ではなく、何本かまとめてブーケ風にして販売されることが多いようです。
サイネリア
ひとつの苗からこんもりとたくさんの花を咲かせます。花言葉は、そんな生命力あふれる元気なようすから付けられたようです。カラーバリエーションが豊富なので、贈る相手にぴったりな色がきっと見つかるでしょう。サイネリアというと鉢花がメジャーな印象がありますが、切り花も2~4月頃に出回ります。
ラナンキュラス
- 全般:「名声」「合格」「とても魅力的」「晴れやかな魅力」「光輝を放つ」
- 紫:「幸福」
- 緑:「お祝い」「名誉」
- 黄:「優しい心遣い」
- ピンク:「飾らない美しさ」
- 赤:「あなたは魅力に満ちている」
- 白:「純潔」
シルクのような光沢と滑らかな肌触りの花びらが特徴です。品種によって咲き方はさまざまですが、薄い花びらが何層にも重なる八重咲き品種はひと際華やかな印象になります。花言葉もその美しさにちなんだものがほとんどです。
「合格」の花言葉は、合格発表の時期である早春に多く出回ることから付けられました。受験前の景気づけや、合格発表後のお祝いとして贈るといいでしょう。切り花の出回り時期は11~4月頃で、特に流通が増えるのは2~3月です。
ピンクッション
針山に刺さった針のような、ユニークな形のお花です。もともと乾燥したところに生えているので、切り花にしても長持ちします。「どこでも成功を」の花言葉は、その花持ちのよさや鮮やかな見た目から付けられました。日本に出回っているのはほとんどが輸入品です。通年で手に入りますが、夏から秋にかけて流通量が多くなる傾向があります。
ツルウメモドキ
花よりも秋遅くにできる実を鑑賞することが多い植物です。黄色い実が熟すと皮が3つに割れ、中から赤い『仮種皮(かしゅひ)』が顔を出します。花言葉の「開運」はこの性質から付けられました。
「大器晩成」は、開花してから実が熟すまで半年近くかかることにちなんでいます。絶えず努力しているのに、なかなか結果が出なくてヤキモキしている人に贈るといいでしょう。店頭には7~11月頃に出回ります。枝がしなやかでアレンジしやすいので、リースの土台部分としてあしらうのもおすすめです。
ヒペリカム
6~7月頃に黄色い花を咲かせますが、花材として出回るのはその後にできる実の状態です。実の色は赤・ピンク・オレンジ・グリーン・白などがあります。花言葉の「悲しみは続かない」は、花が散った後すぐに実がなることから付けられました。店頭では通年で出回りますが、秋からクリスマスにかけてのアレンジメントとして利用されることが多いようです。
「友情・思い出」を伝える花言葉10選
ともに汗と涙を流した部活動の仲間や、離れてもずっと仲良しでいたい友達に。花はいずれ枯れてしまいますが、別れ際に花束をもらった思い出はきっといつまでも残り続けるでしょう。
- 卒業式
- 引っ越し、転校する友達に
- 部活動を引退する先輩・仲間に
スイートピー
ほのかに甘い(sweet)香りを放つマメ(pea)科の植物であることが花名の由来です。花言葉の「門出」「やさしい思い出」「蝶のように飛翔する」などは、門出の時期である3~4月に咲くことと、花の形が飛び立つチョウのように見えることから付けられました。切り花は通年で出回っています。
ネリネ
日に当たるとキラキラ輝くことから「ダイヤモンドリリー」とも呼ばれます。花名と花言葉は、ギリシャ神話に登場する海の精ネーレーイスにちなみます。海底の神殿で「箱入り娘」のように暮らしていたネーレーイス。その美しさを見たものが、誰もが再会を夢見たことから「また会う日まで」という花言葉が生まれました。
なかなか会えなくなってしまう人に、再会の約束を込めて贈るといいでしょう。切り花は通年で出回りますが、特に9~12月頃流通が増えます。
フリージア
独特の甘い香りと鮮やかな花色が特徴です。八丈島では、毎年フリージアのお祭りが開かれるほど盛んに栽培が行われています。フリージアという花名は、この花を発見した植物学者クロンが、親友の医師フレーゼに敬意を表して付けました。この逸話が、花言葉の「友情」の由来でもあるようです。切り花は通年で出回りますが、お正月飾り用として年末に流通が増える傾向があります。
ライラック
- 全般:「思い出」「友情」「初恋の香り」「淡い恋心」
- 紫:「恋の芽生え」「初恋」
- 白:「青春の喜び」「無邪気」
甘い香りとハート型の葉から、恋にまつわる花言葉が多く付けられました。「思い出」「友情」などは、小さな花が集まって咲くようすが青春を謳歌(おうか)する青年たちをイメージさせることにちなんでいます。最後のチャンスの卒業式に、ライラックの花と一緒に「淡い恋心」の花言葉を贈るのもロマンチックですね。切り花は10~6月頃まで出回ります。
マトリカリア
同じキク科の仲間であるカモミールによく似ています。ヨーロッパでは古くから解熱や鎮痛の作用があるハーブとして用いられてきました。小さな花が集まって咲くようすから付けられた「集う喜び」「楽しむ心」などの花言葉は、楽しい思い出を共有した友達に贈るのにぴったり。国産品は3~7月頃に流通しますが、その他の時期も輸入品が出回るのでほぼ通年で手に入ります。
ストロベリーキャンドル
イチゴやろうそくの火に似た愛らしい花姿が花名の由来です。現在はガーデニングやアレンジメントの花材として使われますが、日本に入ってきた当初は家畜の飼料として利用されていました。「私を思い出して」の花言葉は、広大な草原に控えめに咲く姿から付けられたようです。切り花は11~6月頃出回ります。
ミモザアカシア
ふわふわした黄色い花が枝いっぱいに咲きます。たくさんの花が集まるようすが「友情」の花言葉の由来です。イタリアでは3月8日は「ミモザの日」と呼ばれ、男性から妻や恋人にこの花を贈る習慣があります。花から花粉が多く出るので、扱いには気をつけましょう。切り花は1~3月に出回りますが、3月8日を過ぎると流通量が激減するのでご注意を。
ヘリクリサム
ギリシャ語で「黄金の太陽」を意味する言葉が花名の由来です。ピンクや白など可愛らしい雰囲気の品種もありますが、赤やオレンジといった太陽を思わせる鮮やかな色のものがポピュラーです。
一番の特徴はカサカサと音を立てるくらい水分が少ないことで、ドライフラワーにすると色や光沢が非常に長持ちします。花言葉もこの性質にちなんで付けられました。切り花は3~9月頃に出回ります。
アスター
一重咲きから華やかな八重咲き、かわいらしいポンポン咲きなどさまざまな品種があり、花色も形も多彩です。花言葉の「変化」はこれにちなみます。
「追憶」「美しい思い出」などは、その素朴で親しみやすい花姿がどこか郷愁を誘うことから付けられたのでしょう。「美しい思い出」を胸に、新しい環境で「変化」していく人にぴったりな花言葉ですね。切り花は通年で出回っていますが、特に流通が増えるのは夏の時期です。
ジニア
初夏から晩秋にかけて、花が百日咲き続けるといわれたことから「ヒャクニチソウ(百日草)」とも呼びます。花言葉の「遠く離れた友を思う」「変わらない思い」などは、他の花が枯れた後も健気に咲き続ける姿から付けられたようです。
品種によって色も咲き方も多彩で、「ジニア」と言われてイメージする花姿は人によって異なります。こだわって探せば、きっと贈る相手にぴったりの品種が見つかるでしょう。切り花は5~10月頃を中心に出回ります。
相手を思う気持ちを花言葉にのせて
花言葉の意味別に、プレゼントにおすすめな花をご紹介しました。口ではなかなか素直に言えない気持ちも、花言葉に託して贈ればきっと伝わります。人生の節目に、大切な人へ素直な気持ちを伝えましょう!