「万年筆のインクの入れ方を知りたい!どうやってインクを補充したらいいの?」「インクが乾かないように保管する方法は?」といった悩みにお答えします。
今回は「万年筆のインクの入れ方」をタイプ別にご紹介します。正しい保管方法やインクに関するトラブルも取りあげるので、初心者さんはぜひ参考にしてください。
万年筆のインクの入れ方
![万年筆のインクの入れ方](https://gifcal.com/wp-content/uploads/2022/03/fountain-pen-howink_02-1024x680.webp)
万年筆のインクの入れ方をタイプ別にご紹介します。今回ご紹介するのは、以下の主要な2つのタイプです。
- カートリッジ式
- コンバーター吸入式
カートリッジ式
カートリッジ式のインクの入れ方は、以下のとおりです。
万年筆のキャップを取った後、胴軸を外します。
古いカートリッジが装着されている場合は、取り外しましょう。ペン先を上に向けて、カートリッジを「回さずに」真っすぐ引き抜きます。
ペン先を上に向けたまま、新しいカートリッジを「回さずに」真っすぐ差し込みます。
外した胴軸をはめなおしたらインクの補充は完了です。カートリッジ内のインクがペン先まで届けば、書き始められます。
しばらく待ってもインクが出てこない場合は、カートリッジを両側から軽く押して、インクをペン先に送り出しましょう。
その際、カートリッジを強く押してしまうとインクが飛び出たり、破れてしまったりするのでご注意ください。
コンバーター吸入式
コンバーター吸入式のインクの入れ方は、以下のとおりです。
万年筆のキャップを取った後、胴軸を外します。
新品の場合は、新しくコンバーターを取り付けましょう。ペン先を上に向けたまま、コンバーターを「回さずに」真っすぐ差し込みます。
つまみを回して、コンバーター内のピストンを一番下まで下げていきます。
用意したインクボトルのインクに、ペン先を首の部分まで浸します。
このときペン先がインクボトルの底に当たらないように注意してください。
つまみを先ほどと反対方向に回して、インクを吸入します。インクを吸入するとき空気も一緒に入り込み、満タンにならなくとも問題ありません。
インクボトルから取り出し、ペン先と首の部分についたインクをよく拭き取りましょう。
外した胴軸をはめなおしたらインクの補充は完了です。コンバーター式の場合は、すでにインクがペン先まで行き届いているので、すぐに書き始められます。
万年筆の正しい保管方法
![万年筆の正しい保管方法](https://gifcal.com/wp-content/uploads/2022/03/fountain-pen-howink_03-1024x680.webp)
万年筆を長持ちさせるには、保管方法が大切です。正しい方法・場所で保管すれば、インク詰まりやペン先の損傷などのトラブルを防ぐことができます。
ここでは、万年筆の正しい保管方法をご紹介します。
- キャップを閉める
- ペン先を下向きにしない
- 保管場所に気を付ける
- 長期間使わないときは洗浄する
キャップを閉める
万年筆を使わないときは、キャップを必ず閉めましょう。キャップを閉めないとインクが乾燥して固まり、インク詰まりの原因となります。
またキャップを付けることで、ペン先の保護にもなります。落としたり、ぶつけたりすると柔らかいペン先は簡単に変形してしまうので、気を付けましょう。
ペン先を下向きにしない
万年筆を保管するときは、ペン先を下向きにしないように気を付けましょう。下向きにして保管すると、インクが漏れてきてしまう可能性があります。
ペン立てに入れるときは、他のペンとは反対に上向きにしましょう。横向きに保管するときは、ペンケースなどに入れて転がらないようにしておくと安全です。
保管場所に気を付ける
万年筆を保管するときは、直射日光の当たらない場所を選びましょう。インクが乾いてしまい、インク詰まりを起こす原因となります。
また万年筆本体の材質によっては、乾燥と紫外線の影響で色あせたり、ひび割れたりするなど劣化する可能性があるので注意しましょう。
長期間使わないときは洗浄する
1週間以上万年筆を使わないときは、インクをすべて抜き取り、ペン先とインク導管を洗浄してください。
万年筆は使わないと、ペン先に新しいインクが流れません。その結果、少しずつインクが乾燥してしまい、最後は固まってインク詰まりを起こします。
万年筆を長持ちさせたいなら、頻繁に使うようにするか、洗浄して安全な場所に保管するのがポイントです。
下記の記事で「万年筆の洗浄方法」を解説しているので、参考にしてください。
![【原因別】万年筆のインクが出ないときの対処法|買い替えにおすすめの商品も紹介!](https://gifcal.com/wp-content/uploads/2022/02/fountain-ink-notcomeout_01-160x160.webp)
万年筆のインクに関するよくある質問
![万年筆のインクに関するよくある質問](https://gifcal.com/wp-content/uploads/2022/03/fountain-pen-howink_04-1024x680.webp)
ここでは、万年筆のインクに関するよくある質問に回答します。どれも万年筆初心者が一度は疑問に思うことです。使っていくうちに役立つので、参考として覚えておきましょう。
- インクは継ぎ足してもいいの?
- インクはどのくらいの量を入れるべき?
- インクの色を変えるときの手順は?
インクは継ぎ足してもいいの?
万年筆自体のインクは、継ぎ足しても構いません。ただしインクボトルにインクを継ぎ足しするのはやめましょう。
古いインクボトルのインクは、劣化していたり、吸入のとき小さなゴミが入っていたりする可能性があります。そのインクを新しいインクボトルに混ぜてはいけません。
インクボトルのインクが少なくなって吸入しにくい場合は、スポイトやガラスペンを使いましょう。
インクはどのくらいの量を入れるべき?
インクはタンクいっぱいまで吸入して構いません。ただし吸入した後、数滴だけインクボトルに戻します。
インクの色を変えるときの手順は?
インクの色を変えるときは、インクを使い切るか抜き取った後、ペン先とインク導管を洗浄します。よく拭き取った後、あらためてインクを吸入してください。
洗浄方法については、『万年筆の洗浄方法』の記事で詳しく解説しています。
万年筆のインクに関するトラブルと対処法
![万年筆のインクに関するトラブルと対処法](https://gifcal.com/wp-content/uploads/2022/03/fountain-pen-howink_05-1024x680.webp)
最後に万年筆のインクに関するトラブルとその対処法をご紹介します。不測の事態に対応できるように、しっかりと覚えておきましょう。
- インクが出ない
- インクが漏れる
- インクが出すぎる
インクが出ない
万年筆のインクが出ない場合は、下記の原因が考えられます。
- インクが詰まっている
- 合わないインクを使っている
- 中に空気が入っている
- ペン先が損傷している
- 持ち方を間違えている
下記の記事で『インクが出ないときの原因と対処法』を詳しく解説しています。参考にしてください。
![【原因別】万年筆のインクが出ないときの対処法|買い替えにおすすめの商品も紹介!](https://gifcal.com/wp-content/uploads/2022/02/fountain-ink-notcomeout_01-160x160.webp)
なおカートリッジ式の場合、インクがペン先まで行き届くまで時間がかかります。しばらく待ってから、あらためて書けるか試してみてください。
インクが漏れる
万年筆のインクが漏れる場合は、下記の原因が考えられます。
- 胴軸のひび割れ
- カートリッジの破損
- ペン先と首軸のゆるみ
- 温度・気圧の変化
- インクの逆流
まずは上記の原因に当てはまらないか、万年筆の構造や使っている環境を見直してみてください。
また筆記面に対して水平以上上向きにすると、ペン先から空気を巻き込み、インクが逆流して漏れることがあります。筆記時の角度にも気を付けましょう。
インクが出すぎる
万年筆のインクが出すぎるときは、下記の原因が考えられます。
- 筆圧が強すぎる
- ペン先を寝かせすぎ
- インクが合わない
万年筆を正しく使えていないことが原因かもしれません。心当たりのある方は、下記の記事を参考にして『万年筆の書き方・持ち方』を確認してみましょう。
![【美文字】万年筆の書き方講座|コツや正しい持ち方、上達する4つの練習方法を紹介!](https://gifcal.com/wp-content/uploads/2022/02/fountain-pen-writing_01-160x160.webp)
純正インクを使っていない場合、そもそもインクフロー(インクの流れる量)が多すぎるかもしれません。一度インクを変えてみることをおすすめします。
さいごに
今回は「万年筆のインクの入れ方」をご紹介しました。インクを補充するのに、一手間二手間かかるのも万年筆の醍醐味です。使い続けていくほどに、愛着が湧いてかけがえのないものになるでしょう。