浮き沈みするガラス球によって気温を測ることができる「ガリレオ温度計」は、おしゃれなインテリアとして人気のアイテム。ただ、一見すると温度計には見えないこともあって「説明書を捨ててしまって見方がわからなくなってしまった」「いくら待っても全然中身が動かない」といった理由で十分楽しめていない人も多いようです。
そこで今回は、ガリレオ温度計の見方やガラス球が動かないときの対処法についてご紹介します。
ガリレオ温度計の仕組み
まずは「ガラス球(フロート)の浮き沈みによって気温がわかる」という仕組みについてご説明します。温度によってガラス球が浮いたり沈んだりするのは、液体の「比重」が温度によって変化するためです。液体温度が下がると比重は大きくなり、逆に温度が上がると比重は小さくなります。これを「比重測定原理」といいます。
比重とは、簡単に言うと「ある物質が同じ体積の水と比べてどれだけ重いか」を表すものです。水より比重が大きい物質は沈み、比重が小さい物質は水面に浮かびます。ガリレオ温度計で言うと、液体の比重は温度によって変化しますが、ガラス球の比重は変わりません。
- 液体温度が下がる=液体の比重が大きくなる=ガラス球の比重が液体より小さくなる=水面に浮く
- 液体温度が上がる=液体の比重が小さくなる=ガラス球の比重が液体より大きくなる=下に沈む
ちなみに、「比重測定原理」を発見したのが物理学者ガリレオ・ガリレイ氏であることが商品名の由来となったわけですが、ガリレオ温度計そのものを発明したのはイタリアの科学学会「アカデミア・デル・チメント」の構成員たちだと言われています。
ガリレオ温度計の見方
中に入っているガラス球にはそれぞれ温度を表すプレートが付いており、このプレートに書かれた気温のときに浮かぶように比重が調整されています。複数のガラス球が浮いている場合は、その中で一番数値の低いプレートが最も室温に近いと考えられるというわけです。
またガリレオ温度計には「測定可能範囲」というものが設定されており、この範囲より室温が低い場合は全てのガラス球が浮かび、逆に室温が高い場合は全てのガラス球が沈みます。
- 24℃と26℃のガラス球が浮いている=室温は約24℃
- 全てのガラス球が浮いている=室温は18℃以下
- 全てのガラス球が沈んでいる=室温は26℃以上
※ガリレオ温度計で表示される温度はあくまで目安であり、決して精度は高くありません。「気温によって見た目が変わるインテリア」としてお楽しみください。
ガリレオ温度計のガラス球(フロート)が動かない原因と対処法
ガリレオ温度計の仕組みがわかったところで、動かない原因と対処法について見ていきましょう。
開梱直後
買ってきた商品の箱を開けてから中の液体が室温と同じ温度になるまで、少し時間がかかります。液体温度が室温に適応するまで30分~1時間程度必要になりますので、しばらく時間を置いてみましょう。
室温が高すぎる、または低すぎる
「ガリレオ温度計の見方」の項目でもお伝えしたとおり、室温がガリレオ温度計の測定可能範囲に収まらない場合、ガラス球の動きに変化はありません。室温が測定可能範囲内に収まっているか確認してみましょう。
沈んだまま動かないときの対処法
「ガリレオ温度計の中身が沈んだまま動かない」というお問い合わせが多いのは、気温が高い夏の時期です。ガラスが割れてしまう可能性を考えると自然に気温が下がるのを待つべきなのですが、どうしても今すぐ変化が見たいという場合は液体温度を冷やす必要があります。
保冷剤や氷をタオルで巻いて当てたり、室温より冷たい水に浸けたりして様子を見てみましょう。冷やしたことでガラス球が浮いてくれば、不良品ではなく正常な動きであることがわかります。
「冷やしてみても全く変化がない」「24℃と22℃のガラス球は浮いているのに26℃は沈んでいる」といったことがあれば、不良品の可能性が高いと考えられます。購入したお店に問い合わせてみましょう。
さいごに
詳しい原理については難しく感じる方も多かったと思いますが、ガリレオ温度計の仕組みについてはざっくりと「気温が高いと沈む、低いと浮く」ということだけ覚えておけば十分かと思います。ぜひ玄関やリビングに飾って、ガラス球が浮き沈みする様子を楽しんでみてください。