「カビみたいな黒い汚れが!」「これってキズじゃない?」購入したばかりの木製品に汚れやキズのように見えるものがついていて、びっくりした経験はありませんか?
今回は写真つきで汚れ・キズと間違われやすい木目の特徴をまとめました。「もしかして不良品かも?」と感じたら、以下の写真とお手元の木製品を見比べてみてください。
汚れやキズのように見えるものの正体は?
購入したての木製品にシミやキズのように見えるものがあった場合、そのほとんどは天然木ならではの“個体差”です。見た目が寸分違わず同じ人間がいないように、天然木で作られた商品も木目や節目、色の出方などが1点1点異なります。
木の種類や育った環境による違いに加え、1本の木から切り出した木材でも切り出した場所や加工の仕方によって表情が変わってくるのです。
肉割れのような光沢
オークやナラなど、ブナ科の木材によく見られます。木の栄養の貯蔵場所となる細胞が木材になったときに表れたもので、高品質な木材を使っている証です。トラの縦縞模様に似ていることから『虎斑(トラフ)』と呼ばれます。
黒い線
木がまだ生きていたときに、樹皮にできたキズを癒そうとしたときの跡です。キズの部分が成長過程で樹皮ごと巻き込まれたものを『入り皮(バークポケット)』、水の通り道である道管や細胞内のミネラルが蓄積したものを『鉱物線(ミネラルストリーク)』といいます。
節目
木の成長過程でできた葉や枝の跡です。特に小さな黒い点状の節目は『葉節(ピンノット)』といいます。
黒いシミのようなもの
木材の中の灰汁(アク)が染みだしてきたものです。使い始めてしばらくしてから現れることもあります。カビと間違われやすいのですが、放置してもまったく問題ありません。
色味・木目の違い
複数の木材を組み合わせて作る「集成材」を使った製品では、木目の違いや色味の濃淡が目立つ場合があります。
世界にひとつだけの“個性”を楽しもう
まったく同じものがこの世に二つとないのが木製品の大きな魅力です。はじめは理想と少し違う見た目だと思っても、長く使ううちにどんどん愛着が湧いてきます。ぜひ木製品ならではの“個性”を楽しんでください。
なお、カビ等の明らかな欠陥が疑われるものや配送中についたと思われる汚れ・キズがあるものについては、購入した店舗に写真を添付して問い合わせてみましょう。