本革製品の使い始めと日頃のお手入れ方法!正しいメンテナンスでより長持ち

本革製品の使い始めと日頃のお手入れ方法!正しいメンテナンスでより長持ち

使えば使うほど自分好みに変化していく本革製品。定期的なお手入れも“育てる”楽しみのひとつですが、一方で「なんか大変そう」と感じて購入をためらってしまう人も多いかもしれません。

そこで今回は、使い始めの注意点と日頃のお手入れのポイントをご紹介します。正しいメンテナンス方法を知って、お気に入りの本革製品をより長持ちさせましょう!

本革製品のお手入れに必要なもの

本革製品をお迎えするにあたって、お手入れ用品もひと通り揃えておきましょう。次の3点は使い始めから日頃のメンテナンスまで幅広く使えるので、用意しておくことをおすすめします。

  • 革用ブラシまたはクロス
  • 革用クリーム
  • 防水スプレー

ブラシはお手入れのはじめに細かなチリやホコリを払い落としたり、クリームを均等になじませたり、仕上げのツヤ出しをしたりするのに使います。ブラシに使われる毛の種類や密度によって役割が異なるため、複数本を使い分けると良いでしょう。

クロスはブラシと同じく、お手入れ始めのホコリ取りやクリームの塗り広げ、仕上げの乾拭きなどに使います。身近なアイテムで代用もできるため、ブラシをたくさん揃えるのはハードルが高いという初心者さんにもおすすめです。

革用クリームは、乾燥した革に油分と水分を届ける役割があります。人間のスキンケアで言うところの化粧水や美容液に当たるものです。

バッグや靴など、雨の日に心配なアイテムには革製品に使える防水スプレーも用意しておくと良いでしょう。

本革製品の使い始めのお手入れ

本革製品の使い始めのお手入れ

本革を丈夫で美しい状態に保つには「きちんと汚れを落とし、保湿すること」が大切です。革は乾燥するとヒビ割れやすくなり、手触りや見た目も悪くなります。

本革製品は製造されてから消費者の手元に届くまでにある程度乾燥が進んでしまっているため、長く丈夫な状態を保つには使い始めのお手入れが欠かせません。

  1. 革用クリームを少量クロスに取る
  2. 薄く全体に塗り広げる
  3. 30分程度置いて完全に乾かす
  4. 防水スプレーをかける
  5. クロスで乾拭きしてツヤを出す

まず革用クリームを少量クロスに取ります。クリームとの相性が悪い場合もあるので、必ず目立たないところで試してから全体に塗り広げましょう。クリームが多すぎると余剰分がベタつきの原因となるため、厚塗りにならないよう気をつけます。

クリームを塗り終えたら、風通しの良い日陰で30分程度乾かします。ドライヤーや直射日光は劣化の原因となるため自然乾燥がベストです。

防水スプレーを使うなら乾燥が終わったこのタイミングです。防水スプレーは水から革を守るだけでなく、汚れが付きにくくなる効果もあります。スプレーにも相性があるので、初めて使うときは目立たないところで試し、色落ちなどがないか確認しましょう。

最後に、乾いたやわらかいクロスで全体を拭き上げてツヤを出します。ゴシゴシ磨き上げるのではなく、優しくなでるようなイメージです。革専用のクロスがベストですが、使い古した靴下やタオル、綿100%Tシャツ、ストッキング等でも代用できます。

本革製品の日頃のお手入れ方法

本革製品の日頃のお手入れ方法

大変そうなイメージがある日頃のお手入れですが、やることは至ってシンプル。使い終わったらクロスやブラシでホコリを落としてあげる、これだけで十分です。

力強くゴシゴシこすると傷が付いてしまうので、軽い力でなでるように動かすのがポイント。ブラシの方が細かなパーツの隙間に入り込んだホコリなども取りやすいため、ホコリ取り用のブラシは1本あると便利です。

毎日軽く乾拭きをしてあげるだけでも、革本来の光沢を長く保つことができます。

汚れや劣化が気になるときのスペシャルケア

本革製品の汚れや劣化が気になるときのスペシャルケア

長く使って劣化が気になってきたら、いつもよりちょっと丁寧にお手入れしてあげましょう。

  1. バッグや財布は、中身をすべて出しておく
  2. ブラシやクロスで全体のホコリを落とす
  3. 革用リムーバーで頑固な汚れを落とす
  4. 革用クリームをクロスに取り全体に塗り広げる
  5. 30分程度置いて完全に乾かす
  6. 防水スプレーをかける
  7. クロスで乾拭きしてツヤを出す

基本的な内容は使い始めのお手入れと同じですが、ブラシやクロスだけでは落ちない頑固な汚れには革用のリムーバーを使いましょう。表面の汚れを取り除くことで、後に使うクリームの浸透を促す効果もあります。

スペシャルケアは月1回程度できるのが理想ですが、アイテムの使い方や使用頻度によってもベストなタイミングは異なります。「変化が気になったらすぐお手入れする」という意識を持ち、傷や汚れに早く気付けるようにしておきましょう。

本革製品が濡れてしまったら

本革製品が濡れてしまったら

本革製品に水濡れは大敵です。放っておくと革の繊維が劣化して耐久性が落ちたり、水ジミで見た目が悪くなったりとデメリットだらけ。急な雨や飲み物をこぼしたなどのアクシデントが起きてしまったら、少しでも早く対処しましょう。

まずは革製品に付いた水分を乾いたタオルやハンカチでできる限り拭き取ります。拭き取るときはゴシゴシとこすらず、ポンポンと叩くようにするのがポイントです。

表面の水分が拭き取れたら、風通しの良い日陰で十分乾燥させます。一刻も早く乾かそうとドライヤーを使いたくなるところですが、急激な乾燥はかえって劣化の原因になるため焦らず自然乾燥させましょう。

水分を拭き取るのが遅く水ジミができてしまった場合は、固く絞った濡れタオルでシミとその周りをトントンと拭きます。こうするとシミと周りの水分量のバランスが良くなり、乾いたときにシミが目立ちにくくなります。

十分に乾いたら、クリームを塗って拭き上げれば完了です。一度変質・変形してしまった本革を元に戻すのは難しいため、日頃から防水スプレーなどで水濡れ対策をしておきましょう。

より長持ちさせるためのもうひと工夫

本革製品をより長持ちさせるためのもうひと工夫

お気に入りのアイテムは毎日使いたくなりますが、なるべくヘビーローテーションを避け、定期的に休ませてあげることでより長持ちします。

カバンや財布は中身を出して、直射日光の当たらない風通しのいい場所で通気しましょう。休ませることで革に付着した汗や水分が乾くので、カビや雑菌の繁殖を抑えることができます。

また、バッグや財布にパンパンになるまで中身を入れるのは、余計な負担がかかり型崩れや破損の原因となるためNG。本来の容量以上に詰め込まないよう、中身の整理も定期的にしていくことが大切です。

さいごに

本革製品は使い込めば使い込むほどに色合いや風合いが変化し、少しずつ柔らかく手になじむようになっていきます。こういった変化は安価な合皮製品では味わうことのできない、本革独特の味わいです。

そんな本革製品は、自分へのご褒美や大切な人へのプレゼントにぴったり。ここぞというときの贈り物や、長い時を共に過ごす“一生モノ”のアイテムに、高品質な本革製品を選んでみてはいかがでしょうか。