枡(ます)は「福が増す」「愛が増す」「益々繁盛する」などの意味がある縁起物として知られています。結婚式などでもらったことがある方も多いでしょう。
せっかくいただいた縁起物、しまいっぱなしにするよりは普段使いに取り入れたいですよね。今回は枡が長持ちするお手入れ方法と、お酒を飲む以外での活用法をご紹介します。
枡が長持ちする正しい洗い方・お手入れ方法
枡は天然の木でできているため、プラスチックや陶器の食器と同じように扱うと劣化が早まってしまいます。長持ちさせるには、次の3つのポイントが大切です。
使い終わったらすぐ水洗い
枡に限らず、木製食器は「使い終わったらすぐ洗う」が一番のポイントです。洗剤を使うと木の香りがすぐ薄れてしまうので、水だけで洗いましょう。
【木製食器のお手入れ方法・洗い方】基本をおさえればOK!ぬるつきが気になる場合は、塩や重曹でこすって落とす方法がおすすめです。
- 長時間のつけ置き
- 熱湯・煮沸消毒
木は水を吸うと膨らみ、乾くと縮みます。枡を長時間水に浸けると変形したり、乾いたときにヒビ割れたりする原因となるので、つけ置きはせずすぐ洗いましょう。
また、木は急激な温度変化に弱いので熱湯での消毒もNGです。枡に使われるスギやヒノキには抗菌作用があるので、使用後すぐに洗えば洗剤を使わなくても衛生面は心配ありません。
水気を拭き取り、しっかり乾燥させる
洗い終わったら乾いた布巾などでしっかり水気を拭き取り、底面を上にして乾かしましょう。下に布巾やキッチンペーパーなど吸水性の良いものを敷いておくと乾きが良くなります。乾燥が不十分だとカビが生えやすくなるので注意が必要です。
- 食器乾燥機に入れる
- 直射日光に当てる
食器乾燥機の高温は木に大きなダメージを与えてしまうので、自然乾燥が基本です。直射日光も木の反りやヒビ割れの原因になるので、風通しの良い日かげで乾かしましょう。
湿気の少ない暗所で保管する
しっかり乾燥させてから、直射日光が当たらず湿気の少ないところで保管します。カビ対策として、食器棚に新聞紙や除湿剤を入れておくと安心です。
ヤニが気になるときの対処法
枡を使っているうちに、ヤニ(樹脂)がしみ出てくることがあります。ヤニは木材の中で固まっていて、湿気や温度の上昇とともに木の表面に溶け出してくるのです。
ヤニそのものは無害ですが、ベタつきや見た目が気になる場合は、エタノールなどのアルコールを含ませた布で拭けば落とすことができます。
お酒を飲むだけじゃない!枡の意外な使い道
長く使い続けて木の香りが消えてしまったタイミングで処分してしまう人が多いかもしれません。実は、枡にはお酒を飲む以外にもさまざまな使い道があります。捨ててしまおうか迷っている方は、ぜひ試してみてください。
節分の豆を入れる
節分の豆は鬼(邪気)を払う縁起物です。ただ豆をまくだけより、縁起のいい枡に入れれば雰囲気も縁起の良さもアップします。
お米の計量カップ
枡はもともと酒や米の計量をするために使われていたものです。枡の大きさによって容積が変わりますが、一杯が何合か調べておけば計量カップとして使えます。ちなみに、お米1合は約180mlです。
料理やデザートの盛り付け
おせちやおつまみ、和菓子などの盛り付けに枡を使うと、和の雰囲気が引き立ちます。縁起の良い枡はお祝いの席にもぴったりです。
文房具などの小物入れ
腕時計などの小物や、ボールペンなどの文房具を入れる整頓グッズに。複数個ある場合は縦置きにして、中に小物を入れて並べるとおしゃれな卓上ディスプレイができあがります。
植木鉢
枡は木製で水はけが良いので、小さな盆栽や多肉植物などの植木鉢としても使えます。枡の表面を塗装したり金具をつけたりして、自分なりのアレンジを加えて楽しむ人も多いようです。
オーディオスピーカー
スマホを枡に入れて音楽を流すと、簡易的なスピーカーとして使えます。木から鳴る音は電子とは違ったぬくもりが感じられるので、おうちでのくつろぎタイムに使ってみてはいかがでしょうか。
縁起の良い枡を上手に使って長持ちさせよう!
「日本酒はあまり飲まないから枡を使う機会がない」という方も「もらったはいいけどお手入れ方法がわからなくて全然使っていない」という方も、ぜひ今日から枡を使ってみてくださいね。
枡を使った「もっきり(盛りこぼし)」は、おうちで楽しく居酒屋気分が楽しめる飲み方です。「もっきり」の具体的なやり方についてはこちらを参考にしてください。
「もっきり」を楽しもう!枡酒(升酒)の飲み方とマナー