喪中はがきが届いたら、年が明けてから年賀状の代わりに「寒中見舞い」を送るのが一般的です。しかし、年明けまで待たず少しでも早く弔意を伝えたいという人も少なくありません。
そういったニーズを受けて、近年では「喪中見舞い」という新しい手段が用いられています。喪中見舞いの基本的な書き方・送り方と、喪中見舞いに送る品物の選び方などについてご紹介します。
「喪中見舞い」とは

喪中見舞いとは、“年明け前に”喪中の方へお悔やみの言葉をはがきや手紙で伝えたり、お供えの品物を送ったりすることをいいます。従来では年が明けた後に「寒中見舞い」という形でお悔やみを伝えるのが一般的でしたが、より早くお悔やみを伝える手段として喪中見舞いの文化が生まれました。
喪中見舞いの書き方・送り方
喪中見舞いは新しい文化なので、どのように送ればいいか迷う人が多いかもしれません。まずは基本的な書き方・送り方のマナーを見ていきましょう。
喪中見舞いはいつからいつまでに送る?

喪中見舞いは、喪中はがきをいただいてからなるべく早く、年内には先方に届くように送りましょう。喪中はがきが届くのが11月中旬~12月初旬ごろになるため、喪中見舞いを出すことに決めたら早めの準備が必要です。
喪中はがきをいただいたのが年末だったりして年内に送れなかったときは、従来通り年が明けてから「寒中見舞い」を送りましょう。寒中見舞いの送り方についてはこちらをご参照ください。

喪中見舞いの「熨斗(のし)」の書き方

喪中見舞いに品物を送る場合は「熨斗(のし)」が必要です。表書きは「喪中御見舞」「御供」などとし、その下に送り主の名前を書きます。
水引は「黒白または双銀(関西地方では黄白でも可)の結びきり」を選びましょう。紅白の結びきりや蝶結びの水引は慶事(お祝いごと)に使うものなのでNGです。
喪中見舞いに送るメッセージの書き方と例文

喪中見舞いのメッセージに時候の挨拶や改まった頭語・結語(拝啓・敬具など)は不要です。喪中見舞いは「喪中はがきへの返信」として送るものなので、いただいた喪中はがきへのお礼と、先方の体調を気遣ったり故人を偲んだりする言葉を添えます。
また、喪中見舞いに限らず挨拶状では「(人間関係の)区切り、終わり」を連想させるため、句読点を使わないように注意しましょう。句読点の代わりに一文字程度間を空けることで読みやすくします。
いくつか例文をご用意しましたので、参考にしつつあなたらしい言葉でお悔やみを伝えてみてください。
喪中お見舞い申し上げます
この度はご丁寧なご挨拶状をいただきありがとうございます
〇〇様がご逝去されたとのこと お悔やみを申し上げますとともに
〇〇様のご冥福を心よりお祈り申し上げます
ご服喪中と存じ 年頭のご挨拶は控えさせていただきます
寒さ厳しき折 どうぞご自愛くださいませ
喪中見舞い申し上げます
〇〇様のご訃報に接し 大変驚いております
〇〇様のご冥福をお祈り申し上げるとともに 生前のご厚意に深く感謝申し上げます
心ばかりではありますが お線香をお送りしましたので
御仏前にお供えいただければと存じます
ご服喪中につき年始のご挨拶は控えさせていただきますが
どうぞお体にお気をつけて おだやかな新年を迎えられますようお祈り申し上げます
喪中お見舞い申し上げます
年賀欠礼のお知らせをいただき 大変驚いております
遅ればせながら謹んでご冥福をお祈り申し上げます
お寂しい年の瀬をお過ごしかとは存じますが
新年が穏やかな年となるよう 心よりお祈り申し上げます
何かあればいつでもご連絡ください
喪中見舞いに送る品物と金額

喪中見舞いで送るものに決まりは特にありません。とはいえ、お悔やみの贈り物なので一般的には線香やろうそくがよく選ばれています。しかし、宗教・宗派によっては故人の供養に線香を使いません。誰にでも気軽に贈れる品物として、お菓子、お茶、お花、カタログギフト、故人が好きだったものなどもおすすめです。
また、先方に気負わず受け取ってもらえるように高額なものは避けるようにしましょう。喪中見舞いの品物にかける金額は3,000~5,000円程度が相場となっています。
喪中見舞いでお悔やみの言葉を伝えよう
喪中見舞いは、大切な身内を亡くした方を気遣い故人を偲ぶ気持ちを伝えるためのものです。喪中はがきが届いたら、年明け前に「喪中見舞い」という形でお悔やみの気持ちを送ってみてはいかがでしょうか。