新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに、私たちの生活様式は一変しました。リモートワークやリモート飲み会などいろいろな活動のオンライン化が進む中、ホテルや結婚式場では「リモートウェディング」のサービスが始まっています。
芸能人のリモートウェディングがニュースになったのをきっかけに知名度も広まり、テレビなど各メディアで紹介されました。
しかし、身近にリモートウェディングを経験したことがある人はまだまだ少ないですよね。もしもリモートウェディングに招待された場合、どんなことに気をつければいいのでしょうか?
「従来の結婚式と何が違うの?」「ご祝儀や当日の服装はどうすればいい?」などなど、疑問は尽きません。今回は過去に行われたリモートウェディングの例から、ゲストとして参加する場合の気になるポイントをまとめました。
リモートウェディング(オンライン結婚式)とは?
参列者は直接式場には出向かず、結婚式の様子をインターネットで配信する新しい形式の結婚式です。現在確認されているリモートウェディングには、大きく分けて2タイプあります。
1.参列者全員フルリモート
新郎新婦はホテルや自宅などで挙式をし、参列者は全員がリモート参加します。リモートウェディングの映像を配信するための一般的なツールはZOOMです。
ZOOMの場合ゲスト側はアカウントを登録しなくても利用できるので、インターネット環境とPCやスマホがあれば参加できます。会員登録せずに利用する場合は、事前にアプリ版をインストールしておくとスムーズです。PC・スマホどちらも無料で利用できます。
・PC用ダウンロードはこちら
・App Storeはこちら
・Google Play Storeはこちら
また、ZOOMではホストだけでなく参列者もお互いの顔を確認できるため、従来の結婚式とは違った一体感が生まれます。
2.一部参列者のみリモート参加
遠方に住んでいたり、病気やケガをしていたりで参列が難しい人のみリモートで参加します。実際に式場で執り行われている結婚式の映像を、一部参列者にライブ中継する形式です。結婚式自体は従来通りの形式のため、直接式場まで行く参列者は特に変わることはありません。
リモートウェディングのメリット・デメリット
新型コロナの影響で注目を浴びているリモートウェディング。新しい生活様式の一環としてメリットを強調した報道が多いですが、始まったばかりのサービスだけにまだまだ気になる点はあります。実際に参列した人が感じたメリット・デメリットは次のようなものがあります。
リモートウェディングのメリット[1]:感染症のリスクがない
7月にとある結婚式場で行われた披露宴の参列者が新型コロナに感染していることがわかり、全国的に報道されました。結婚式の参列者は全国のさまざまな地域から移動してくるので、万が一感染者が出た場合には参列者全員に大きな影響が出ることが予想されます。
しかし、直接会わなくても自宅から参加できるリモートウェディングなら、感染対策に気をもむ必要がありません。
リモートウェディングのメリット[2]:参列のハードルが低くなる
お祝いしたい気持ちにウソがなくても、いろいろな事情で参列を断念せざるを得ない場合があります。遠方からの参加の場合は日程調整がうまくいかないケースもありますし、長時間おとなしくしているのが難しい小さなお子さんがいたり、病気やケガで移動が難しかったり、思わぬ出費が続いて金欠だったり……
しかし、リモートウェディングなら移動時間は考慮しなくて良いですし、移動にかかる金銭的・肉体的負担もないので、従来型の結婚式では難しかった人も参列できる可能性が高くなります。
リモートウェディングのデメリット[1]:音声や映像が途切れがち
ZOOMは比較的安定している動画ツールと言われていますが、インターネットの通信速度や機材のトラブルなどで肝心なところが聞こえなかったという前例は少なからずあるようです。リモートウェディングを主催するホテルや結婚式場のスタッフも、インターネットの専門家ではないためまだまだ手探りで進めている部分があるでしょう。
逆に言えば、今後リモートウェディングがもっと広まれば、新たな専用ツールや機材の開発が進むことも予想されます。
リモートウェディングのデメリット[2]:高齢者やネットに疎い人には難しく感じる
「感染症のリスクがない」「移動の負担がない」など高齢者に嬉しいメリットがある一方、普段PCやスマホを使い慣れていない人には難しいと感じる点が多くあります。
インターネット環境とデバイスを用意し、PCの場合はマイクやカメラの機能を整え、定刻までにメールやLINEで届いたURLにアクセスする……という一連の流れは、家族や知人に頼れる人がいないと大変です。
「身体が弱ってきた祖父母に、元気なうちに晴れ姿を見せておきたい」という需要も少なからずあるリモートウェディングですが、その願いを叶えるのには周りの人たちのサポートが必要不可欠となるでしょう。
リモートウェディングのデメリット[3]:リモートウェディング自体に抵抗がある人が多い
さまざまなリモート化が進む昨今ですが「結婚式までリモートにしてしまうのは寂しい」「同じ空間で直接会ってお祝いしたい」と、リモートウェディングには否定的な意見の人が多いのが現実。
結婚式プランのチャット相談プラットフォーム「PLACOLE WEDDING」を運営する冒険社プラコレが実施したアンケート調査によると、リモートウェディングが「アリ」と答えた人の割合は13%にとどまっており、結婚式に関してはまだまだ従来のやり方がいいと感じる人が多数派のようです。
参考 話題のオンライン結婚式 13%が「あり」と回答。PR TIMES
リモートウェディングの疑問点を解決!参列するときに気になるポイント
ゲストとして招待された場合に気になるポイントを、実際にリモートウェディングに参加した方の前例からご紹介します。
リモートウェディングに参加するときの服装は?
リモートウェディングでは、服装に関して「こうでなくてはいけない」というルールはまだありません。式場に行くときと同様にきっちりドレスアップする人もいれば、カジュアルな普段着で参加する人もいます。
ただ、結婚式の案内に「普段着でも結構です」など服装に関するメッセージが特になければ、しっかりおめかしして参加するのが良いでしょう。
結婚式にリモート参加する場合、ご祝儀の金額や送金方法は?
リモートウェディングのご祝儀は、現金書留で直接送る方法と、オンライン決済で送金する方法の2通りがあります。
オンライン決済できるかどうかは新郎新婦が選んだサービスによりますが、中にはクレジットカード決済が使えるものや、新郎新婦がほしい商品に金額が達すればプレゼントできる「ウィッシュリスト」機能があるものもあります。
従来の結婚式より比較的安価でできるリモートウェディングですが、ご祝儀の有無や額によって引き出物を贈るかどうか決めるケースが多いようなので、金額については特に難しい事情がなければ3万円包むのが無難です。
リモートウェディングの案内にご祝儀について明記されていなければ、送金方法などはどうしたら良いか新郎新婦に相談してみましょう。
当日の食事は自分で用意するの?
乾杯用のお酒や食事は、新郎新婦がクール便などで手配してくれるのが一般的。届いた料理をゲストがそれぞれレンジやコンロで温め直して食べる、という形になります。もしもアレルギーなどで食べられない食材がある場合は、通常の結婚式と同じく事前に伝えておきましょう。
すでにリモートウェディング用に開発されたメニューも登場しており、今後さらに「レンジで温める本格料理」のバリエーションは増えていきそうです。
さいごに
まだまだ実際に経験する機会が少ないリモートウェディングですが、いざ招待されたら新しい文化を楽しみつつ心からお祝いしてあげたいですね。もし少しでもわからないことや気になることがあれば、当日のスムーズな進行のためにもあらかじめ新郎新婦に確認しておきましょう。