天候によって結晶の見た目が変わる、おしゃれでかわいいインテリア「ストームグラス」。材料はドラッグストアなどで揃うため、自作して楽しんでいる人もたくさんいます。
ところが、「待てど暮らせど見た目が全く変化しない」とお悩みの方も少なくないようです。しかしそれは不良品などではなく、ストームグラスそのものの仕組みが原因かもしれません。
今回はストームグラスの見た目が変化しないときの原因と対処法についてご紹介します。「不良品に当たってしまった」とがっかりする前に、ぜひ一度チェックしてみてください。
ストームグラスの見た目が変化する仕組み
まずはストームグラスの結晶ができる仕組みについて簡単におさらいしておきましょう。ストームグラスの液体部分は、複数の化学物質が混じり合ってできたものです。
- 水
- エタノール
- 樟脳(しょうのう)
- 硝酸カリウム
- 塩化アンモニウム
これらのうち、結晶の大部分を占めているのが樟脳です。樟脳は砂糖やミョウバンと同じく、気温が下がると水に溶ける量が減り、逆に気温が上がると溶ける量が増えます。学校で習った「飽和水溶液と溶解度」の実験と同じで、水に溶けきれなかった分が結晶化して見えるというわけです。
雨・風・嵐など「天候によって結晶の様子が変わる」という仕組みについては未だ科学的に解明されていない部分もありますが、結晶ができる・できないということに関しては、溶けている物質の量と気温が大きく関係していそうだということがわかりますね。
ストームグラスの結晶が変化しない原因
購入してから日が浅い
ストームグラスをネットショップで購入した場合、輸送中の環境変化により液体部分が不安定な状態になっていることがあります。この場合はだいたい1週間~10日、長くても2~3週間程度置いておくと、徐々に結晶ができてきます。焦らずしばらく様子を見てみましょう。
温度が高すぎる、または低すぎる
前述の通り、結晶化する量は気温によって大きく変わります。特に気温が高い夏(6~9月)の時期は結晶になるはずの樟脳が全て溶けてしまい、いつまでも結晶ができず透明のままという場合があるのです。逆に気温が低い冬の時期は結晶が多く液体全体が白濁するため、天候による変化が観察しにくいことがあります。
レシピ通りに作っていない、または不純物が多い
これは自作に挑戦する方のケースですが、レシピ通りに作らなかったためにうまく結晶ができないこともあります。検索して出てくるレシピがそれぞれ微妙に異なるのは、本来そこまで厳密に割合を決めなくてもきちんと結晶化するためです。しかし、だからといってあまりにも適当な配分で混ぜたり手順を飛ばしたりしてしまうと失敗の元になります。
また自作する場合は手に入りやすい材料で代用するレシピを参考にする方も多いと思いますが、市販の材料には不純物が多く含まれていることもあるため、うまく反応しない場合もあります。
見た目を変化させるための対処法
購入してから数週間様子を見ても結晶の様子が変わらない場合は、以下の方法を試してみてください。
置き場所を変えてみる
ストームグラス周辺の気温が原因になっている可能性が高いので、まずは置き場所を変えてみましょう。だいたい室温5~30℃の範囲で結晶が変化するので、それより高すぎたり低すぎたりすると見た目が変化しにくくなります。
温度変化が起こりやすい玄関や廊下に置いている方も多いかもしれませんが、真夏や真冬は5~30℃の適温範囲から外れてしまっている可能性があります。一度空調がよく効いた部屋に移して様子を見てみましょう。
冷やしてみる
「冬の海水は外気より温かい」ということからもわかるように、水は一度温まると空気より温度が下がりにくい性質があります。置き場所を変えても透明なままで結晶ができない場合は、気温よりも大きな温度変化を加えてみましょう。
タオルで巻いた保冷剤の上に置いたり、ストームグラスをビニール袋に入れて冷水につけたりして変化があるかどうか見ていきます。しっかり冷やしても全く結晶ができない場合は不良品の可能性が高いので、購入したお店に問い合わせてみましょう。
温度変化を試す際は、念のためストームグラスが割れてしまったときの対処法についても事前にご確認ください。
【中身は危険?】ストームグラスが割れたときの掃除方法と捨て方さいごに
ストームグラスの結晶化は気温の影響を大きく受けます。変化の度合いには若干の個体差がありますが、実際に見た目が変わっていく様子はずっと見ていても飽きない不思議な魅力があるものです。見た目が変化しないとお悩みの方は、ぜひ今回ご紹介した対処法を試してみてくださいね。