紫外線が気になるこれからの季節に活躍してくれるアイテムのひとつが日傘です。近年では各地で記録的な猛暑日が続いたこともあって、男性向け日傘の需要も高まってきています。中でも晴雨兼用傘(日傘に防水加工を施したもの)は晴れの日も雨の日も使えるので、重宝している方も多いのではないでしょうか。
ところで、その傘。最後にきちんとお手入れしたのはいつでしょうか。「えっ、傘ってお手入れしなくちゃいけないの?」と思ったあなたは必見。今回は傘のお手入れ方法を種類別にご紹介します。
「お気に入りだったのに、気づいたら汚れやサビでボロボロ……」そんな悲しい思いはもうしなくていいように、今年からがんばってやってみましょう!
雨傘・晴雨兼用傘のお手入れ方法

まずは使用頻度の高い雨傘・晴雨兼用傘から見ていきましょう。基本的なお手入れの流れは以下のとおりです。
- 全体をシャワーで軽く流す
- 目立つ汚れには中性洗剤を薄めたぬるま湯をスポンジに染み込ませ、ポンポンと優しく洗う
- 洗剤をシャワーでしっかりとすすぐ
- タオルで金属部の水分を拭き取り、傘を開いた状態で陰干しする
使ったあとは水洗いして陰干し
「雨で濡れているのに水洗い?」と思われるかもしれませんが、雨はただの水ではなく、硫黄酸化物などさまざまな不純物が混じっています。そのため、雨で濡れた傘をそのまま閉じて保管すると汚れやサビの原因になってしまうのです。
雨で濡れた日はシャワーやペットボトルに入れた水道水などで汚れを洗い落とし、開いた状態で玄関などに置き陰干ししましょう。直射日光に当ててしまうと変色の原因となるので、必ず陰干しするようにしてください。開いた状態で干すことで型崩れを防ぐことができ、通気性も良くなるので早く乾きます。
このとき、石突き側を下にしないことがポイントです。石突きを下にすると漏斗状になった先端に骨を伝って水が溜まり、サビの原因になってしまいます。
水で落ちない汚れは中性洗剤で
手垢などの汚れは、長期間放置していると水だけでは落ちなくなります。気になる汚れがある場合は、中性洗剤を含ませたスポンジなどで優しくポンポンとなでるように洗いましょう。晴雨兼用傘の場合はコーティングが落ちないようより丁寧に。
ゴシゴシと力を入れて擦ると生地を傷めてしまうため、ガンコな汚れになる前のメンテナンスが大切です。最後に洗剤をしっかり水で洗い流します。
防水スプレーで撥水力キープ
防水スプレーで撥水性を高めると、雨に含まれる汚れも傘に付着しにくくなります。スプレーの成分と生地の相性が良くないこともあるため、初めて使うときは目立たない場所で試して色落ちなどがないか確認するようにしましょう。
日傘のお手入れ方法

雨に濡らさない日傘はあまり汚れていないと思われがちですが、実は空気中の汚れや手の皮脂などが劣化の原因に。雨傘や晴雨兼用傘と同じく、使ったあとは毎回お手入れしてあげましょう。日傘の場合は水洗いできるかどうかによってお手入れの内容が変わります。
- タオルやブラシで「から拭き」して汚れを落とす
- [洗えない傘の場合]開いた状態で陰干しする
- [洗える傘の場合]全体をシャワーで軽く流す
- 目立つ汚れには中性洗剤を薄めたぬるま湯をスポンジに染み込ませ、ポンポンと優しく洗う
- 洗剤をシャワーでしっかりとすすぐ
- タオルで金属部の水分を拭き取り、傘を開いた状態で陰干しする
ブラッシングで汚れを落とす
まずはタオルやブラシで優しくから拭きしてチリやホコリを落とし、開いた状態で陰干しします。濡らしていなくても陰干しが必要な理由は「湿気」です。使い終わった傘をそのまま閉じると、差しているときの温度と閉じている間の温度差で湿気が生まれ、黄ばみ・シミなどの大きな原因になってしまいます。
ポリウレタン加工のものや細かいレースがついているものなどは基本的に水洗いできないため、普段からこまめに汚れを落としておくことが大切です。
洗える傘は定期的に水洗い
気になる汚れが付いてしまっても、洗える傘なら自宅でお洗濯ができます。基本的な洗い方は雨傘・晴雨兼用傘と同じです。
シーズン終わりなど長期間保管する際は、洗濯した後新聞紙にくるんで湿気の少ない場所で保管しましょう。この一手間で、来シーズンもキレイな状態で使い始められます。
防水スプレーで汚れを防止
日傘にも雨傘用の防水スプレーをかけておくことで、汚れがつくのをある程度防げます。ただし、シミや変色を防ぐため、必ず取扱説明をよく読み、目立たないところで試してから使用してください。
また、防水スプレーをしたからといって雨の日に日傘を使うことはおすすめできません。晴れの日も雨の日も同じ傘で済ませたい人は「晴雨兼用傘」を使いましょう。
正しい傘の水切り方法
ついやってしまいがちですが、閉じた傘をクルクルと回したり、石突きを地面に打ち付けたりして水を落とすのはNGです。傘のハンドルや骨に負荷がかかり、壊れたり曲がったりする原因になります。
傘の使用で想定される「開く・閉じる」という動きが傘にとって一番負担が少ないため、傘をパタパタと開閉して水を切るのが正しいやり方です。
ただし、この方法だと周りに水が飛ぶので、水切りの際は周りに人がいないことを確認してから行うようにしましょう。
傘を使ったら必ずお手入れしよう!
傘のお手入れ方法について簡単にまとめます。
- 使い終わったら水洗いやブラッシングで汚れを落とす
- 汚れてしまったら、洗える素材のものは洗濯
- 乾かすときは開いた状態で陰干し
濡れた傘をそのまま傘立てに突っ込んで終わりという人も少なくありませんが、お気に入りの傘を長く使い続けるには日頃のお手入れが何より重要です。今回ご紹介したお手入れ方法を実践して、ぜひお気に入りの1本を長く使ってあげてくださいね。
