おいしそうなワインを買ってワクワク、いざ開けようと思ったらコルクタイプ……。「ワインオープナーがない、どうしよう!」そんなとき、ワインオープナーの代わりに使えるものと具体的な開け方をまとめました。「オープナーなしで今すぐこのコルクを抜きたい」というとき参考にしてください。
ワインオープナー(コルク抜き)の代用品として使えるもの
コルクを抜く方法を大きく分けると次の2つです。
- コルクを引き抜く
- コルクをボトルの中に押し込む
どの方法が開けやすいと感じるかは人によって変わります。今回は11個の方法をご紹介しますので、いくつか試してやりやすいものを探してみてください。
ネジ、ドライバー、ペンチ
ワインオープナーのスクリューをネジで代用する方法です。ネジは先端が尖っていて3cm以上の長さがあるものを使いましょう。
- コルクの中央にネジを当て、ドライバーを回して埋め込んでいく
- 引っ張っても抜けないところまで埋め込んだら、ゆっくりペンチで引き抜く
ペンチがない場合は、金槌やフォークでも代用できます。金槌の釘抜き部分やフォークの先端をネジ頭に引っかけて慎重に引き抜きましょう。
アイスピック・たこ焼きピック
アイスピックやたこ焼きピックのように、先端が鋭く長い針状のものも使えます。
- コルクに先端を突き刺す
- 引き抜く
ポイントは、コルクに対してやや斜めに刺すこと。針部分にネジのような溝がないため、コルクに垂直に刺すとうまくいきません。引き抜くときは針でコルクを押し上げるイメージで力を入れましょう。
ナイフ・フォーク
たいていどのご家庭にもあるナイフやフォークも、先端が細めでコルクに刺せるくらい鋭利なものなら使えます。
- 先端をコルクに深く差し込む
- 回しながらゆっくり引き抜く
ネジのようにコルクに引っかかる部分がなく滑りやすいため、鋭利な先端でケガをしないよう細心の注意を払いましょう。刺すときも抜くときも、ゆっくり慎重に行うのがポイント。一気にやろうとするとケガのおそれがある上にコルクが割れる可能性もあります。
作業用手袋を着用すれば力を込めても手が痛くならずケガ防止にもなります。ない場合はハンドタオルなどを巻いて作業するといいでしょう。
スプーン
スプーンを使う場合は、柄の先端が細く尖っているものを選びましょう。なお、柄が分厚く平らなスプーンも、後述の「コルクを中に押し込む方法」で使えます。
- スプーンの柄をコルクに深く差し込む
- 回しながらゆっくり引き抜く
ハサミ
刃の先端が鋭いものを選びましょう。安全性に考慮して先端に丸みを持たせたものだとうまくコルクに刺すことができません。
- 刃を大きく開き、片方の刃をコルクに刺す
- 引っ張っても簡単に抜けないところまで深く埋め込む
- ハサミのハンドルを回しながら引き抜く
カギ
コルクに刺せるくらい先端の鋭いものなら、カギも代用品として使えます。ただし、力を入れて刺したり抜いたりすることで曲がって使えなくなってしまうおそれがあります。使えなくなってもすぐには困らないスペアキーなどを使うといいでしょう。
- カギをコルクに対してやや斜めに刺す
- 奥まで埋め込んだら、ボトルとカギをそれぞれ逆の方向に回すようにして引き抜く
ワイヤーハンガー
準備に少々手がかかりますが、比較的安全にコルクを抜くことができる方法です。
- ペンチなどを使ってフック部分をまっすぐに伸ばす
- 伸ばしたワイヤーの先端に1cm程度の小さなフックを作る
- 作ったフックをコルクとボトルの間に差し込む
- フックがコルクの下まで来たら、90度回転させフックをコルクに引っかける
- ゆっくり引き上げる
空気入れ
ボトルの中に空気を送り込むことで、コルクに圧力をかけて抜く方法です。自転車などに使う空気入れは、先端に針状のアダプターを取り付けることで代用できます。
注意点として、空気入れのバルブには「英式バルブ」「米式バルブ」の2種類があり、対応するアダプターが異なります。針を新たに購入する場合は、お手持ちの空気入れのタイプを確認しておきましょう。
- 空気入れの針をコルクに差し込む
- タイヤに空気を入れる要領で3~4プッシュ
- コルクがある程度持ち上がってきたら手で引き抜く
空気を入れすぎるとボトルが破裂するおそれがあり大変危険です。コルクの様子をこまめに見つつ、空気の入れすぎには十分注意しましょう。
ボトル内の空気を加熱することで圧力を高める方法です。ライターがなければガスバーナーでも代用できます。作業中はやけどに細心の注意を払いましょう。
- コルク栓の根元あたりを火であぶって温める
- 1~2分程度でコルクがせり上がってくる
温め過ぎるとコルクが勢いよく飛び出しますので、コルクを真上からのぞき込まないように気をつけましょう。
厚手のバスタオル
こちらも圧力でコルクを抜く方法ですが、力加減が難しく注意点が多いためあまりおすすめはできません。他の方法が使えそうな方は、まずそちらから試してみてください。
- ボトルの底に、何重かにたたんだバスタオルを当てる
- 壁や床などの硬い場所に垂直に打ちつける
- 何度か繰り返すとコルクが浮いてくる
途中でボトルが割れてしまったり、コルクが抜けたはずみで中身がこぼれたり、打ちつけた壁や床が破損したりするおそれがあります。特に賃貸にお住まいの方は避けたほうが無難です。
靴
コルクが抜けるメカニズムや注意点はバスタオルの方法と同じです。他の方法が使えないとき、使ってもコルクが抜けなかったときの最終手段と考えましょう。
- ボトルの底を靴の中に入れる
- 靴底を壁や床に垂直に打ちつける
- 何度か繰り返すとコルクが浮いてくる
棒状のもの
「どうしてもコルクが抜けない」「抜こうとしているうちにコルクが折れてしまった」ということもあるでしょう。最終手段かつもっとも簡単なのは、コルクをボトルの中に押し込んでしまう方法。コルクがワインの中に入っても気にならないという方は、この方法がもっとも手軽で安全です。
やり方はいたって簡単で、ボトルをひざにはさむか安定した床に置き、上からグリグリとコルクを押し込むだけ。コルクは指で押してもなかなか動きませんが、「コルクより直径が小さい」「先端が平ら」「コルクより長さのある棒状のもの」を使うとうまくいきます。具体的には次のようなアイテムがおすすめです。
- 印鑑
- マジックペン
- 箸(背の部分)
- スプーンの柄(柄の先端が平らなもの) etc…
あまり強く力を入れるとコルクが割れたり、代用品が壊れたりするので慎重に行いましょう。ボトルの中に押し込んだコルクの処理についてはコルクが折れたときの対処法も参考にしてください。
【緊急!】ワインやウイスキーのコルクが折れたときの対処法ワインオープナーを使ってスムーズにコルクを抜こう!
ここまで見てきたように、代用品での抜栓はケガをしたり代用品が壊れたりするリスクを伴います。特に刃や突起が鋭い道具はケガのおそれが高いので、酔いが回っているときは使用を控えましょう。
今回ご紹介した方法はあくまで緊急手段。ワインを飲む機会が少ない人も、きちんとしたワインオープナーをひとつ持っておくと安心です。
「ワインオープナーは種類がたくさんあってどれがいいかわからない」という方は、ワインオープナーの種類ごとの特徴と使い方をまとめていますのでぜひ参考にしてくださいね。
あると便利!ワインオープナー(コルク抜き)の種類と使い方