クリスマスや誕生日などのプレゼントでもらうことも多いカシミヤ製品。大切なものはきちんとメンテナンスして長く使いたいものですが、「お手入れが大変そう」「洗濯ってどうしたらいいの?」と悩む人も多いかもしれません。今回はカシミヤ製品の正しい洗濯・保管方法と、失敗を防ぐための注意点についてご紹介します。
カシミヤ素材の特徴

カシミヤは「カシミヤヤギ」から採れる毛を使った繊維です。カシミヤヤギの毛の太さは人間の髪の毛の半分程度と非常に細く、たっぷりの空気を含むので保温性に優れています。加えて吸湿性・放湿性も高く、快適な体温を保ちながらも湿気で蒸れることがありません。
そんなカシミヤヤギから「カシミヤ」となる繊維が採取できるのは、一年の中でも秋から冬にかけての一時期のみ。さらに、カシミヤヤギ1頭から採れる繊維は100~200g程度と量が少ないため、天然の毛繊維の中でも希少性が高く「繊維の宝石」と呼ばれることもあります。
カシミヤ製品の日頃のお手入れ方法

キレイな状態をキープするのが大変そうだと思われがちなカシミヤですが、日頃のお手入れは至って簡単で「着用後に衣類用ブラシで優しくブラッシングする」だけ。具体的な手順は次のとおりです。
カシミヤは非常にデリケートな素材なので、ちょっとした摩擦ですぐに毛玉ができてしまいがち。着用後にブラッシングをすると絡みかけた繊維がほぐされ、毛玉ができるのを防ぎます。また、繊維の奥に入り込んだホコリをかき出し、毛並みを整えることでカシミヤ特有の光沢や手触りを保つ効果もあります。
ブラッシングの際に注意したいのが、カシミヤと同じ「獣毛」のブラシを使うということです。獣毛の中でも、適度なコシと柔らかさがある馬毛ブラシが特にカシミヤと相性が良いとされています。天然毛には油分や水分が含まれるため、ブラッシングの際に静電気が起きにくいのもメリットです。
ブラシをかけた後は、衣類用の「静電気防止スプレー」をかけておくのもおすすめです。静電気を防止することでホコリの付着や繊維の絡まりをあらかじめ防ぐことができ、カシミヤ本来の質感を保ちやすくなります。
カシミヤ製品の洗濯頻度
カシミヤ製品の理想の洗濯頻度は「シーズン中に1~2回」程度とされています。基本的なお手入れは着用後のブラッシングで十分なので、肌着やタオルなどのように頻繁に洗濯する必要はありません。
カシミヤは動物から採れる「獣毛」であり、柔らかくふんわりとした手触りは毛に含まれる油分によるものです。洗濯をし過ぎると汚れだけでなく油分も落ち、カシミヤ本来の質感が失われてパサパサになってしまいます。洗濯頻度が高いとかえって生地を傷めてしまうので、日頃から目立つ汚れが付かないよう丁寧に扱うようにしましょう。
カシミヤ製品の洗濯方法
デリケートで扱いの難しいカシミヤ製品はクリーニングに出す人が多いのですが、実は自宅で洗濯することも可能です。洗剤はおしゃれ着用の中性洗剤ならどれでも使えますが、「カシミヤ専用」とされている洗剤や柔軟剤を使えば、洗濯しながら適度に油分を補うことができます。
手洗い・洗濯機それぞれの手順を解説します。
手洗いの場合

手洗いの場合はゴシゴシと生地をこするようなことはせず、優しく「押し洗い」します。洗い~すすぎまで、常温の水か20~30度程度のぬるま湯を使うのがポイントです。洗剤が溶ければ冷水でもかまいません。冬場の手洗いにはお湯を使いたくなりますが、水温が高いと繊維が縮んでしまうので注意してください。
生地の摩擦によって毛玉や毛羽立ちが起きやすいため、1着ずつ丁寧に洗うようにしましょう。洗剤で汚れと一緒に油分も落ちてしまうので、仕上げに柔軟剤を使うのを忘れずに。
洗濯機の場合

洗濯機の場合は「手洗い」「ドライ」など、デリケートな衣類に適したコースを選びましょう。適した水温は手洗いと同様、常温の水か20~30度程度のぬるま湯です。お風呂の残り湯はニオイ移りや縮みの原因になるため、カシミヤの洗濯には使わないようにしましょう。洗濯と脱水が終わったら、すぐに形を整えて風通しの良い日陰で平干しします。
カシミヤ製品の洗濯後の干し方

カシミヤは吊るして干すと水分が下の方に溜まり、繊維が重みで伸びてしまいます。そのため、洗濯後は風通しの良い日陰で必ず「平干し」するようにしてください。高温にさらすと繊維が縮んでしまうので、乾燥機の使用は厳禁です。
平干しネットを使うのがおすすめですが、ない場合は数枚のバスタオルを重ねて代用できます。半日程度でたっぷり水を吸うので、ひっくり返して位置を変えるか、新しいタオルに取り替えましょう。室内で干す場合は扇風機やサーキュレーターで風を送ると乾きが早くなります。
カシミヤ製品をより長持ちさせるポイント

正しいお手入れ方法を守ることに加えて、次の3つのポイントを意識すると大切なカシミヤ製品がより長持ちします。
- 毎日着ないで1~2日休ませる
- 毛玉は手で引っ張らず、ハサミや毛玉クリーナーでカットする
- 雨の日は着用を避ける
毎日着ないで1~2日休ませる
カシミヤは何日も連続で着用すると、毛玉や型崩れが発生しやすくなります。一度着たら1~2日程度は休ませられるようにローテーションを組みましょう。
毛玉は引っ張らず、ハサミや毛玉クリーナーでカットする
ブラッシングである程度の毛玉は防ぐことができますが、もしも毛玉ができてしまったら引っ張らずにカットして取り除くようにしましょう。毛玉を引っ張ると周りの繊維にもダメージを与えてしまい、かえって毛玉ができやすくなってしまいます。
電動の毛玉クリーナーは便利ですが、性能が悪かったり力加減を間違えたりすると生地を傷めてしまうおそれも。毛玉の数が少ない場合はハサミ、毛玉が広範囲にできてしまった場合は毛玉クリーナーを使うのがおすすめです。
雨の日は着用を避ける
カシミヤは湿気に弱く、水に濡れると毛並みが乱れて光沢が失われたり水ジミができたりする原因になります。雨や雪の日はなるべく着用を避け、水に濡れないよう注意しましょう。万が一濡らしてしまった場合は、シミになる前にタオルなどで優しく拭き取り、湿気を飛ばすために日陰干しをしましょう。
カシミヤ製品の保管方法

シーズン終わりには、ブラッシングでホコリを落とし毛流れを整えてから収納しましょう。カシミヤは湿気に弱いので、クローゼットの扉は最低でも半年に一回は開けて風を通してあげるとベストです。通気性の確保が難しい場合は、クローゼット用の除湿剤も活用しましょう。
また、カシミヤは虫の食害に遭いやすいため防虫剤は必須です。防虫剤の成分は上から下に流れるので、衣類の上に置くようにしてください。カシミヤはニオイを吸着しやすいので、無臭タイプがおすすめです。
大切なカシミヤ製品の洗濯・保管はプロにおまかせ!
カシミヤの洗濯は自宅でもすることができます。ただし、生地を傷めないための注意点が多くあり、もしも失敗してしまうと元に戻すことはできません。絶対に失敗したくない大切なカシミヤ製品は、プロにクリーニングをお願いするのが確実です。
洗濯から保管まで一括で扱っている宅配サービスを使えば、カビや虫被害にも気を使う必要がありません。「自分で洗うのはやっぱり怖い」「品質が確かなプロに任せたい」という方は、専門店にクリーニングを依頼しましょう。



